季節の変わり目の自律神経不調に。アロマは効果的? | アロマと暮らす

季節の変わり目の自律神経不調に。アロマは効果的?

暮らしのコラム

季節の変わり目は、気分がどんよりして体調が崩れてしまうという方が少なくありません。風邪を引きやすくなったり、アレルギーが出やすくなったりする方もいますよね。

なかには「原因は分からないけれど、なんとなく調子が悪い」という、いわゆる【不定愁訴】に悩まされる方もいます。実はその原因に、自律神経の不調が関係しているかもしれません。

さらに、近年は「気圧頭痛」や「気象病」など、気候や天気の変化が原因でおこる不調がニュースでも取り上げられるようになりました。

こうした不調は季節の変わり目に起きることが多く、自律神経も大きく関わっていると考えられます。「なんとなく調子が悪い」不定愁訴は、原因も治療法もわからず、悩みを抱える方もたくさんいます。

自律神経の不調からつらい思いをしているときに試して欲しい、アロマのお話をご紹介します。

自律神経とは?

そもそも自律神経とはどんなものなのでしょうか。あなたの生命活動や健康と深く繋がっている自律神経について、わかりやすく解説します。

自律神経は生命活動に欠かせない神経系

自律神経は、血圧や呼吸など、生命維持に関する体内のシステム調節を担っています。意識的な努力を必要とせず、自動的(自律的)に機能するため、「自律神経」と呼ばれています。

血圧・呼吸のほか、心拍・消化・排泄・体温調整・代謝・内臓の運動・体液調整なども制御しており、24時間休むことなく働いています。

自律神経が年中無休で働き続けているからこそ、私たちの生命はぐっすり眠っている間も維持されているのです。

自律神経によって整えられるものは、身体だけではありません。神経や内臓の働きによって大きく影響を受ける、心・精神も整えられています。健康で正常な自律神経は、心身を健やかに保つよう効果的に働きます。

自律神経は身体の中枢を貫く脊髄から枝分かれし、全身にいきわたっています。脊髄は脳の視床下部から腰に至るまで繋がっている、太い神経系の束です。

交感神経と副交感神経

自律神経は、【交感神経】【副交感神経】からなりたちます。

臓器や機能によって交感神経と副交感神経のどちらかが制御していたり、両方がかわるがわる制御していたりします。

交感神経はアクセル役、副交感神経はブレーキ役を主に担っており、効果的にスイッチすることで、健康を保つための一定の状態【恒常性】を保ちます。

 

交感神経
(アクセル役)

ストレス下や緊急事態に体の状態を整える(アクティブ)

・心拍数を増やす
・血圧を上げる
・心臓の収縮力を高める
・脳血管を収縮させる
・呼吸を優先させるために気道を拡張する
・唾液の分泌をおさえる
・エネルギーを放出しやすくする
・筋肉に力をこめやすくする
・発汗作用(体温を下げる)
・体毛を逆立てる(鳥肌・体温を上げる)
・瞳孔を散大させる
・末梢血管を収縮させる
・消化や排泄などを鈍らせる

副交感神経
(ブレーキ役)

日常生活において体内のシステムを制御する(リラックス)

・心拍数を減らす
・血圧を低下させる
・脳血管を拡張させる
・粘性の低い唾液を分泌させる
・エネルギーを温存する
・体力を回復させる
・組織の修復や形成を行う
・気管支を収縮させる
・瞳孔を収縮させる
・消化や排泄などを促進させる

交感神経はアクティブに活動しているときによく働くため、「昼の神経」とも呼ばれます。副交感神経はリラックスしているときによく働き、「夜の神経」とも呼ばれます。

自律神経が乱れるとどうなる?

自律神経は生命活動を支えるかなめですが、自律神経の乱れに悩む方が後を絶ちません。
では、自律神経が乱れると、具体的にどのような影響が出るのでしょうか。

自律神経が乱れると出やすい不調について

効果的に体調のバランスを保つ自律神経が乱れると、様々な不調が起きるとされています。


・血圧低下
・起立性低血圧
・めまい
・ふらつき
・汗が出にくくなる
・体温調整が不安定になる
・眼や口の乾燥
・不安や緊張感の異常な高まり
・イライラする
・やる気がでない
・感情の起伏が激しくなる
・ゆううつ
・焦燥感
・消化不良
・吐き気
・嘔吐
・多汗
・全身のだるさ
・頭痛(偏頭痛)
・肩こり
・腰痛
・手足のしびれ
・動悸
・寝付きにくい・眠りが浅いなど不眠症状

人によって出る症状は異なります。身体がどんよりする方、気持ちがどんよりする方、重なる方もいます。

いくつかの症状が重なることもあり、重い方は起き上がることがつらい状態になってしまうこともあるようです。特に気圧や気象が変動しやすい季節の変わり目に、症状を感じる方が多い傾向にあります。

まずは自分でセルフチェック!

まずは、体調や心の状態をセルフチェックしてみましょう。最近、以前よりも「調子が悪い」と感じることはありませんか。調子が悪い場合は、かならずかかりつけ医や専門医の診察を受けてください。

自律神経失調症と診断されたり、自律神経からくる不調と診断された場合はまず、治療を受けましょう。

しかし、治療を受けたり服薬したりしても、なんとなく不調が続く……ということも少なくありません。
「加齢」「生活習慣病」「更年期障害」などで一括りにされてしまうケースも多いようです。

季節の変わり目に、いつも同じ症状が出てつらい方もいます。また、病院に行くほどではないけれど、「朝なんとなくしんどい」「仕事に行くのがおっくう」「疲れているのに不眠が続く」といった不調もありますよね。

そんなときにおすすめしたいアイテムが、アロマです。

自律神経不調にはアロマがおすすめ

自律神経の不調によるどんよりでお悩みの方に、アロマはおすすめのアイテムです。
ではなぜアロマなのか、紐解いてみましょう。

なぜアロマが良いのか?

どんよりとした不調に、なぜアロマがおすすめなのかというと、アロマが「香り」だからです。香りは嗅覚を刺激しますが、嗅覚を感じる嗅神経は大脳辺縁系へ、そして視床下部へと伝わります。

大脳辺縁系には目、耳、鼻から刺激の短期的記憶や情報の制御などの働きがあります。また、食欲・記憶・感情・快不快などのほか、自律神経にも関わります。

そのため、アロマは自律神経の不調におすすめと言われています。

アロマのもつパワー

アロマは植物から抽出した香り成分、精油(エッセンシャルオイル)を使用します。植物の香り成分は植物によって異なり、さまざまな影響を及ぼすと考えられています。

アロマは、植物の持つ香りの力で体・心・美容などに働きかけ、本来の健康的な生活へ促すためのアイテムです。

自律神経でお悩みの方に!おすすめアロマのご紹介

自律神経や心身のバランスでお悩みの方に、おすすめしたいアロマをご紹介します。

あなたはどんな香りが好きですか?

ラベンダー

良い香りのする植物として知られるラベンダーから抽出した、エッセンシャルオイルです。
ハーバルなさわやかさと、華やかな甘さをあわせ持ちます。

ラベンダーは全草から香り立つハーブです。ハーブは西洋では修道院を中心に、古くから薬草として育てられ活用されてきました。

ラベンダーはさわやかで甘い花の香りで、身体の周囲やお部屋をリラックスできる環境に導いてくれます。

気分がリラックスして緊張状態がほどけてくると、イライラなどの気持ちの不調や、寝つきの悪さなど不眠症状、頭痛などが緩和される方もいます。

グレープフルーツ

グレープフルーツは、柑橘類がもつ苦味を含んだフレッシュな香りが特徴のエッセンシャルオイルです。さわやかで新鮮な香りは、場を明るい雰囲気にしてくれます。

フルーツが持つ鮮烈さはリフレッシュにも繋がりますね。

不安感や焦燥感、落ち込み、気分のバランスが取れない、緊張感など、リフレッシュすることで緩和される方も多い香りです。

ローズマリー

ローズマリーの香りは14世紀の昔、痛風や麻痺に悩むハンガリーの女王を癒したという伝説があります。

ローズマリー本体にはポリフェノールが多く含まれており、抗菌・抗酸化作用が期待されています。

特徴は、ハーバルでグリーンが強い野の香りでしょう。肉料理に供されることも多い、人気のハーブです。

鮮烈なグリーンの香りには適度に刺激があり、不調に沈んでいる心身を目覚めさせるように働くとされています。自律神経の不調で血行や心の動きが鈍っていると感じている方に、朝日やそよ風のような刺激を与えてくれるでしょう。

ベルガモット

ベルガモットはイタリアやスペインで生育する、柑橘類の一種です。紅茶のアールグレイの香りづけとして知られていますよね。

気品あふれるベルガモットには、柑橘類の持つキレのある苦味とフルーツならではの鮮烈な刺激も含まれます。奥深い香りを吸い込むと、ベルガモットが持つ気高く落ち着いた雰囲気を味わえます。

気分の落ち込みや原因のわからない不安・緊張などで疲れている方に、おすすめの香りです。

アロマにはこんな楽しみ方も

アロマには、いろいろな楽しみ方があります。

生活を香りで彩ってくれる、アロマの活用法をご紹介しましょう。

アロマスプレーにして楽しむ

アロマスプレーの詳しい作り方はこちらから
アロマのエッセンシャルオイルがあれば、アロマスプレーが簡単に作れます。材料もすぐに揃いますよ。

・お好みのエッセンシャルオイル…10滴
・無水エタノール…小さじ1
・精製水
・50mLの青色アロマスプレー容器

青色アロマスプレー容器に無水エタノールを小さじ1杯と、お好みのエッセンシャルオイル10滴を注ぎます。あとは精製水を容器の肩部分まで注ぎ、蓋をしてよく振ったらアロマスプレーの完成です。

お部屋や髪などに適量スプレーすれば、あなたの心身を程よくほどいてくれる、アロマの香りに包まれますよ。目に入らないように注意し、1週間ほどで使い切ってくださいね。

マッサージ・スキンケアにプラスして楽しむ 

マッサージ・スキンケアにプラスして楽しむ方法はこちらから

おうちでオイルマッサージを楽しんでいる方は、アロマをプラスしてみませんか。いつも使用しているオイル30mLに、エッセンシャルオイルを6滴ほどたらしてよく混ぜ、使用してみてください。

また保湿のためなどオイルをスキンケアに活用している方も、マッサージと同じ要領でアロマを活用できます。

あなたがリラックスできる香りをプラスすれば、今日を素敵な時間で締めくくれますね。

まとめ

自律神経の乱れは、さまざまな不調を心身にもたらします。また、自律神経はストレスや加齢、季節の変わり目、生活習慣病などさまざまな要因でバランスを崩してしまいがち。

身体にも心にも大きく関わる自律神経を整えるために、心地よい環境づくりはとても重要です。アロマもおすすめのアイテムです。

あなたがリラックスできる、元気が出ると感じる香りを上手に活用することで、リフレッシュへと繋がります。

ラベンダーやグレープフルーツ、ローズマリー、ベルガモットのほかにも、さまざまなアロマがあり、きっとあなたの気分に合う香りも見つかりますよ。

どんよりしがちな季節の変わり目は、あなたを元気に導いてくれる特別な香りのアロマで乗り切りましょう。